十七歳
青山ななみ
青山ななみ

「十七歳」が第一回ドラマ甲子園の大賞を受賞したと聞いた時の感想は?

自分の作品を読んで頂いたこと、そしてドラマにしようと決めて頂いたことは本当に嬉しかったのですが、監督、なおかつ演出もやらせて頂くとなると、そんなことがはたして自分にできるのか、全く未知の世界だったので、すごく嬉しい反面、とっても不安にもなりました。

撮影が始まって、その不安は払拭されましたか?

自分が何をすれば良いのか分からなくて、撮影当日まではすごく不安だったのですが、たくさんのスタッフの方が、私の発言に対して的確にアドバイスをしてくれるので、今は全然不安はないです。

クランクイン前の打ち合わせで感じたことは?

ドラマを撮っているプロの方って、本当に些細なことまで目を行き届かせていて、どんなことにも妥協がなくて、例えばヒカリの絵の中のサインの位置や洋服のインナー、靴下の色まで聞かれるとは想像もしていなかったのでびっくりしました。仕事だからやっているという感じではなくて、みんなで良い作品を作りたいという気持ちが伝わってきて、とても有難かったです。

「十七歳」以外にも脚本を書かれたことはありますか?

5分くらいのショートムービーのあらすじをメモ書きした程度しかありません。あらすじを書いてカメラを回して出演もするという超のつく自主ムービーです。しかもホラー(笑)

「十七歳」を執筆するにあたって、勉強されたことはありますか?

シナリオ公募の審査員の選評を読んだのが一番大きな勉強でした。審査員の方がとてもシビアに選評をしていて、とても勉強になりました。

青山ななみ

「十七歳」の執筆にはどれくらいの時間が掛かりましたか?

大体2週間ぐらいでした。応募締め切りの2週間前に学校の掲示板に貼ってあるのを見つけて書き始めたんですけど、すごく運命的なものを感じて、特に第一回目というのにすごく惹かれました。第一回目ってすごく特別な感じがして・・・。だから出してみたいと思いました。

「十七歳」はどこで、どんな時間に執筆されましたか?

学校にいる時はダメなので、でも授業を受けながら、次の展開を思いついちゃったらノートの端に書いてみたり・・・。すごく悪い子ですよね(笑)。文章を打ち込んでいくのは夜の作業なんですけど、本当に最後は間に合わなくて、締め切りの当日まで書いていました。

「十七歳」の登場人物や風景は誰か?どこか?をモデルにしていますか?

ここ(春江小学校の美術室/青山監督の母校)はすごくイメージしました。緑があるのがすごく好きなので。人物でいうとヒカリは中学校時代の美術の先生ですね。年齢も違うし性格も、あんな小悪魔的な部分はないですけど、すごく柔らかい感じでミステリアスで影があるような感じの人柄はその先生から頂きました。ハジメやアカリはこの人とこの人の性格を足してを2で割って・・・というような感じで作りました。でも平助だけは書きながらもイメージがわかなくて、竹財さんが演じているのを見て、平助ってこういう人だったんだ、なるほど!って思いました。自分が書いたはずなのに、初めて平助に会ったような感覚になりました。

なぜ、夏という季節を舞台にしたのですか?

夏が好きだからです。暑いのは苦手なんですが、生きているっていうことが一番実感できる季節だと思うんです。

青山ななみ

「十七歳」で一番好きな台詞は?

言葉ってすごく重要だと思うんです。一度口にした言葉は取り返しがつかないので、極力無駄な言葉を減らして、価値ある言葉だけを残していきたい、基本的にはそういう思いで書いているので、どの台詞も好きなんです。でも強いて言うなら「自分に確信が欲しいんだ」とか「彼らには、彼らだけの時代がある」とか・・・。でも書いているときって案外、この台詞を入れたら面白そうとか意識していないんです。自分で書いているというよりも書かされた感じがします。

「十七歳」で一番伝えたい事は何ですか?

今を生きるべきだってことを伝えたいです。思い出に生きるのは悲しいことだし・・・。

好きな作家や脚本家はいますか?

作家は小学生の時にずっと読んでいた『はやみねかおる先生』です。探偵ものなんですが、夢水清志郎のシリーズがとっても面白くて、今でも『はやみね先生』の本は買っています。中学校の時は江戸川乱歩が好きで全巻読みました。高校に入ると三島由紀夫が好きになって、あの世界観って自分が書きたい世界観と似ていると思いました。繊細で力強くて、陰りがあって、ドキッとさせられる文章がたくさんあって、ハマりました。脚本家は野島伸司さんです。

将来の夢は何ですか?

やっぱり音楽をしたいです。でも、書くことも手放したくないので「歌って書ける声楽家」(笑)

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