ひときわ鋭敏な感覚を持って生まれたものの、愛情のない結婚生活を維持して離婚した極めて鈍感な親に傷つけられ、思春期以降ずっと個人主義者として生きてきたジヨンは、ある日、クレームをつけるため呼び鈴を押して玄関をたたく隣の部屋のビョクスと出会うことになる。ストーカーのような元彼に苦しめられていたジヨンは、元彼女の心をつかむためにしつこく痴態を演じていた隣の部屋のビョクスと再び衝突する。悪縁となった二人は会う度に言い争う。さらにジヨンはビョクスが自分の部屋の暗証番号4桁を知っていると考え、誰も使わない12桁に変えてしまう。
そしてある日、神経症からくる便秘と不眠症がひどくなり、精神科で治療を受けていたジヨンは、医師からまた小さい頃の話をしてみようという提案を受け、病院を飛び出した。ジヨンは誰にも自分の過去や気持ちを知られたくない。しかし、治療のおかげか家の前で便意を催したジヨン。自分の部屋に入りたいけど、急いだせいか12桁の暗証番号を間違え続ける。お腹がさらに痛くなったジヨンは決心する。何気なく覚えた、いや覚えざるを得なかった隣のビョクスの部屋の暗証番号を押して、ビョクスが部屋にいないことを祈りながらトイレに駆けつけたが、その時トイレのドアを開けたビョクスと目が合ってしまう。引っ越そうと思って訪ねた不動産で、ビョクスが引っ越すと伝え聞いたジヨン。その日の夜、残った睡眠薬を全部飲んでベッドに横になったジヨンの視界がぼやけていく。ジヨンの腕がリモコンの上に落ち、オーディオのボリュームがますます大きくなり、ジヨンの部屋から聞こえてくるうるさいほどの音楽に、ビョクスはもしやと思って、この前のトイレ事件の時に変えた暗証番号1234を押してみるのだが、玄関が開いた。ベッドの上に死んだように横たわるジヨン、床に落ちている薬箱。ビョクスはジヨンの体調をチェックして、冷えたジヨンの体をさする。その日以来、同棲生活と恋愛を始めた二人。ビョクスのおかげで神経質で個人主義のジヨンの性格が変わっていく。ところが、ビョクスがジヨンの日記を読んだことを知ったジヨンは、ビョクスに別れを告げるのだが…。