藤原千十郎（渡辺謙）は、家業の理髪店を妻（森口瑤子）にまかせてついてくる弟子の富田（石黒賢）を連れて、仙台の駅ビルの生活用品売場で活躍中。売場には、脱サラで妻子に逃げられた中年の販売人日下（河原崎長一郎）、エレクトーン演奏販売のアルバイト平井みち子（小高恵美）も客を集めようと懸命だ。ところが突然、実演販売を信頼し千十郎にほれこんでいた販売促進部長が左遷され、代わって加賀敏子（小野みゆき）が新任部長になった。この敏子は、古くさい実演販売を嫌い、駅ビルのイメージを一新するために彼らを今月限りで契約解除すると申し渡した。千十郎は平気だが、困るのは他所へ行ったら通用しない日下だ。必死で抗議するが、そこで敏子が出した条件は、あと4日で100万円売り上げたら考えようという難題。バカバカしいと相手にしなかった千十郎だが、敏子の強引さや日下の哀れさにこの勝負を受けて立つ。
さあこれからが千十郎の超人的な働きの見せどころ。ところが敏子の方も、千十郎のあなどりがたい腕前にムキになって妨害、色仕掛け戦術にでる。敏子VS千十郎の戦いは、やがてとんでもないことにまで発展して…。