深津絵里/堤真一/矢田亜希子/坂口憲二/西村雅彦 ほか
本宮籐子(深津絵里)は大手広告会社・ユニバーサル広告社の営業局の庶務課に勤めるOL。以前はクリエイティブ局で働いていたもののミスなどから異動になり、歳をとるにつれ、いまだ女性が出にくい現実などを知るようになり、今では入社当時の熱意もすっかりと冷め、大企業の安定のもとにただ毎日を安穏として送っていた。仕事と同様、恋愛に対する意欲も失せ、数少ない楽しみは好きなお酒を家で飲むことであった。30歳の誕生日をきっかけに現実を受け入れて、楽に生きることを選んでしまったのだ。
そんな籐子がまだクリエイティブ局で仕事に夢を抱いていたころ、ひそかに憧れていた男性が、天才クリエイターの貫井功太郎(堤真一)だった。
籐子が仕事でミスをしたときに、優しく声を掛けてくれたのが貫井だった。貫井と話したのは後にも先にもその時だけだったが、貫井のクリエイターとしての輝きとともに、その時の思い出を今でも籐子は忘れないでいた。
その貫井がある日、貫井の仕事に対する姿勢がもとで上司と対立し、会社を辞めて独立することになった。貫井のかたくなに理想を追求するような、仕事への熱意と自信が裏目に出たのが原因だった。貫井を慕っている若手クリエイターの木村壮吾(坂口憲二)と共に新しい会社を起こすという。周囲はいつあってもおかしくない事態だと思っていた。「あれだけ実力のある人物ならば」と。確かにそれは籐子も思った。だが、貫井の独立が自分の身にも関わってくるとは全く思っていなかった。
その日、籐子は会ったこともない壮吾から電話をもらい、会う約束をする。そこで「…貫井さんと立ち上げた事務所にぜひ来ていただければと思いまして…」と切り出されたのだ。“嘘ッ!!”。我が耳を疑った。だが籐子は、それが貫井のたっての希望だと壮吾から聞かされ、すっかりその気になるのだった。
「人生諦めるのはまだ早すぎます! もう一度頑張って下さい」。同居する倉持春菜(矢田亜希子)も背中を押してくれた。
引きとめるかもしれないと思った上司の佐藤(長谷川初範)はすんなりと辞表を受けとってくれた。
ただ一人、同じ会社の親友須田真季(猫背椿)だけは、「一流企業で終身雇用って安定感があるのに…」と渋ったが…。
だが、籐子は決めた。心機一転、自分の新たな可能性を求め『貫井企画』に行く!
そして、希望に満ちた『貫井企画』のドアを叩いたのだが、籐子はそこで貫井から驚愕の一言を聞くことになった。
「誰?…違う。俺は秘書課の宮本曜子ならと思っていたんだ…すまないが、そういうことだから」
人間違いされた上に即刻クビ!? だが、すべて投げ出してきた籐子は引きさがるわけには行かなかった。
貫井が何と言おうと、翌日もきちんと出社し「責任は取ってもらいます」と迫ったのだ。憧れていた貫井の冷たい一面を見せられ、失望と怒りに燃えた籐子が見せる女の意地!
しかし、この新会社に対するしがみつきも及ばなくなる事態が起こる。貫井が付き合いをしてきた大手がことごとく取引を中止を言い渡してきたのだ。貫井は憤然として、ユニバーサル広告社にいる貫井の一番の理解者である吉武宣夫(西村雅彦)に連絡を取った。
「吉武さん、どういうことなんですか!」「待て、俺は何にも聞いていない。至急、事情を確認してみるから。落ち着け」。“ユニバーサルからの圧力か…”。貫井と木村に早くも諦めの表情が浮かんでいた。
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深津絵里/堤真一/矢田亜希子/坂口憲二/西村雅彦 ほか
<脚本>相沢友子
<企画>石原隆/鈴木吉弘
<プロデュース>船津浩一
<演出>若松節朗
2025年5月19日 現在