女は瑠璃……光届かぬ海に沈み、救済の時を待つ。無垢な魂が流す涙は、やがて身を覆い隠すベールとなり冷たい輝きを放ち始める。それはまるで真珠のように……。

主人公・瑠璃子は、元華族の娘で、幸せな人生が約束されているかに思われていた。しかし、時代や社会の波は汚れを知らない彼女を容赦なく呑み込んでいく。
　父の名誉を守るため、没落しかけた家を救うため、彼女は新興成金の荘田勝平の妻となる。将来を誓った恋人・直也との間を引き裂かれて…。
　やがて、未亡人になった瑠璃子は、女の人生を歪めた社会に、そして、男のエゴに復讐するがごとく、自分の周囲に寄って来る男たちを虜にしては、破滅させていく妖婦と化していく。
脚本を担当するのは、数々の名作を生みつづける情念ドラマの第一人者、中島丈博氏。原作にある大正時代を、戦後の昭和20年代から30年代に翻案し、よりダイナミックに描いた名作昼ドラ。