恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?

  • #1

    悲しき慕情

    秋田料理屋のカウンターで並ぶ宝池青子(佐々木希)と瀬尾純兵(石田卓也)。
    純兵は中身もオチも無い話を延々としている。それでも青子にはそんな話でさえ、恋をしていたら全て魅力に映るようで、2年前に地元の秋田で初めて出会った時に一目惚れして以来、純兵に片思いをしているのであった。 
    しかし、純兵には通称:姫と呼ばれる彼女がいることを青子は知っている。それでも2年間思い続けて高まった気持ちを抑えることが出来ない青子は、意を決して告白をしようと試みるが、純兵は青子のそんな様子に全く気付くことなく、相変わらずご飯をたいらげている。なかなか告白が出来ないまま時間は過ぎ、ついには純兵に「(店を)出よっか」と言われてしまう。しかも会計は割り勘で、もちろん2軒目にも誘われなかった。
    青子は帰宅後、ひとり部屋で鬼ころりのパックにストローを刺し、飲み直すことに。やがて青子はだんだんと酔っ払い、眠りに落ちてしまう。青子が気付くと向かいには羊のメリーさんが座っていた。(※青子が夜、自宅で鬼ころりを飲んで酔っ払うと、メリーは現れるのだ。)メリーは、「純兵は青子に気があるのでは?」とけしかけるが、青子は「色気も乳もないしなあ」とうなだれる。青子は、メリーに「どうやったら純兵と付き合うことが出来るのか?」と尋ねるが、顔をあげるとメリーはいなくなっていた。青子は生まれてから男の人と付き合った経験がなかったのだ。その原因は父、勝(梅沢富美男)にある。青子は思春期時代、過剰なまでの箱入り娘として育てられたせいか、自分の欲望を外に出さない自己完結型の性格になったのであった。
    青子は目を覚ますと、6月の卓上カレンダーには5日の『脇の日』以外予定が何も書かれていないことに気づく。3ヶ月後に25歳になり戦国時代なら孫がいてもおかしくない年齢なのに、青子は処女のままであった。
    翌朝、自宅を出ると隣の部屋から同じ年位の女の子が男と一緒に出てくる。青子は思う。「別にアラブの石油王との身分違いの恋とか韓流スターとの運命の恋とか、そんな夢みたいな事を願っているわけではない。私の願いはあんな風に好きな人と一緒にいたい。ただそれだけだ。それは贅沢な願いなのだろうか?」

    初回放送日:2012/03/16

  • #2

    ぬるま湯でシワシワ

    青子(佐々木希)は、今日は『脇の日』だと気付き除毛しようとしていると、携帯に姥貝智春(渡部豪太)からメールが届く。姥貝からのメールはハッピーバースデーの着メロ付きの2週間遅れのバースデーメールだった。
     そもそも思い返せば、1ヶ月前、秋田のカフェのウェイティングバーで、予備校の後輩であった姥貝を偶然見かけたのがきっかけだった。姥貝は、昼は画塾や画廊でアルバイトをし、夜はバーテンダーとして働いているようだった。今度、東京で飲もうとアドレス交換したのがきっかけでバースデーメールが届いたわけだが、青子は、偶然が生み出した運命の出会いかもしれないと思いはじめていた。
     その夜、青子は鬼ころりを飲みながら姥貝にメールを送信すると、即レスで返信が届く。 すると、青子の背後からメールを覗き込むメリー。メリーは青子に、「姥貝は青子に気があるのでは?」と彼をデートに誘うように促す。純平の事を思い出す青子だったが、メリーに頭突きをされ、「彼女がいる男なんて忘れるメ…」と言われ、姥貝を食事に誘うことにした。
     翌朝、職場で青子はコピーを取ろうとすると、トナー交換のボタンが点滅しコピー機が止まってしまう。青子が新しいトナーを探していると天津(えなりかずき)が、一緒に探してくれることに。すると、西原(高岡早紀)が近づいてきて、トナーのある場所を教えてくれる。西原は「なんなら私が替えるわよ。」と言うが、天津は「トナー交換を綺麗な方にお願いしようかなと」つい口を滑らしてしまい西原を怒らせてしまう。このことが原因で天津は謹慎処分をくらった末に解雇されてしまう。
     青子は一週間メールの文章を推敲し、ようやく姥貝をデートに誘うことに成功する。2人はタイ料理屋に入るが、姥貝は全然ご飯を食べない。どうやらこういう変わった料理が苦手のようだった。
     その後も何回かデートを重ねるが姥貝は何もしてこない。姥貝の考えていることがからっきし分からない青子がある時、テレビ番組を見ていると、石田純一が「カクテルは恋を演出する魔法のドリンク」と言っている。真に受けた青子は意を決し、「姥貝君が作ったカクテルが飲みたい」とメールをする。しかし姥貝が働いているバーは貸切りらしく、青子の家で飲むことに。青子はトイレや風呂を掃除し、下着選びに真剣に悩むが、結局この日も何もなかった。
     やがて新年になり、青子から姥貝を初詣に誘う。姥貝は、青子に手をつなぐか尋ねるが、青子はタイミングを逃してしまい後悔する。そんな時、向かいから純平(石田卓也)がやってきたのであった。

    初回放送日:2012/03/30

  • #3

    どういうわけか波乱万丈

    青子(佐々木希)がハルオデザインをクビになって2ヶ月。純兵(石田卓也)にもフラれ、姥貝(渡部豪太)にもフラれ、自宅でぼーっと過ごしている。しかも、妹の紅子(外岡えりか(アイドリング!!!))にも、仕事を早く見つけて、ちゃんとしたものを食べるよう心配されてしまう。青子は長女の沽券にかけて家族には甘えられないと思うのであった。
    翌日、公園で求人誌を読んでいると、西原(高岡早紀)の差し金でリストラになった天津(えなりかずき)から突然電話がかかってくる。2人はお互いがクビになったことを知り、今度一緒にハローワークに行くことを約束する。
    ハローワークでの職探しを終え、天津は自分の実家で夕食を食べようと青子を執拗に誘う。青子は失礼だからと遠慮するが「…あ、ごめん。しつこかったよね…」とがっかりしている天津を見てお邪魔することに。天津の顔は、よく見るとなぜだか懐かしくてホッコリすると青子は思いはじめる。天津家は天津同様にホッコリした佇まいで、天津の母親もホッコリ顔であった。食卓で天津の母は、息子と青子が付き合っていると勘違いし、三つ子の弟たちは天津の顔が真っ赤になっているとからかう。遅れて帰ってきた天津の父も息子と青子が付き合っているのかと勘違いする。天津のホッコリ顔がこの家族を温めているんだなと青子は思う。
    やがて天津は青子と行ったハローワークで見つけた会社の採用が決まる。一方まだ新たな職が見つからない青子の貯金は減っていき、とうとう主食がパスタからパンのミミに変わった。青子は26歳の誕生日を無職のまま迎え、26歳最初のディナーは食パンにパンのミミで作ったパンカツサンドだった。もうこれ以上無職に耐えられなくなった青子は、写真館の撮影アシスタントのアルバイトに応募することにした。
     無事、採用された堂本写真館では、オーナーである堂本夫妻のやる気のない仕事ぶりに青子は呆気にとられる。
    受付をしている松井華奈(大塚千弘)が堂本夫妻からもらった賞味期限切れのお菓子をありがたく貰うが、「食べ物をくれる人を信用してないの」という華奈ちゃんは只者ではないと思った。しかし、青子は、「新しい職場は楽だけど人生の終着駅みたいだ」と思う。
    青子と天津が、2人の再就職のお祝いとして行った焼き肉屋で、青子は天津が自分を恋愛対象として見ていることに気づく。調子に乗った天津はクリスマスにデートをしないかと青子を誘い、青子は思考が混乱して、ついうなずいてしまうのであった。
    帰り道に青子は「純兵といると苦しくて、姥貝君といると気を使うが、天津といると楽でダメな自分を全てさらけ出せる」と思う。『好き』より『楽』な人に身をゆだねた方が幸せなのだろうか?

    初回放送日:2012/04/13

  • #4

    底の底

    写真で食べていくことを決意した青子(佐々木希)は、華奈(大塚千弘)が紹介してくれた写真スタジオ、『フォトスタジオ・ルーチェ』へ面接に行く。緊張しながらルーチェに入ると皆が一斉に挨拶をし青子は驚く。青子は、一番近くにいたスタッフの飯田(小泉孝太郎)に連れられ、社長室に入っていく。青子は社長の谷(加藤雅也)と面接をして見事採用されることになった。
    青子が勤めることになったルーチェでは、はみパンTバックキャラの新森ミミ(橋本麗香)が青子に仕事の仕方を教えてくれ、この会社はセクハラやパワハラという言葉は存在せず、労働基準法や社会の常識も通用せず、社長である谷がルールブックであって適当に答えて適当に流さないと身がもたないとアドバイスされる。青子はとんでもない独裁国家に入国してしまったのだろうかと思う。またどうやらミミは谷のお気に入りで他の女子からは嫌われているみたいだと気付く。
     独裁国家の君主でありながらも谷に皆がついていくのは、彼が撮る素晴らしい写真と、彼のスポ根みたいな熱く激しい人柄なのかもしれないと青子は思う。また、青子は谷からドヤされてばかりいるが、飯田は猛獣使いかの如く谷の要望を完璧にこなしている。青子も飯田みたいになりたいと思うのであった。
    やがて不規則な生活からか青子の目の下にはクマが現れ、虫歯になり、痛み止めや胃腸薬、強壮剤と飲む薬が増えていく。それでも相変わらず谷から罵声を浴びせられ続けている青子はとうとう涙ながらに「いい写真が撮りたい、ルーチェにいたい」と嗚咽しながら谷に懇願する。青子の熱意を感じた谷は顔を真っ赤にして泣きながらひとつの画集を差し出して「これを見てしーっかり、勉強せえ」と言う。谷の叱咤激励に気合が入った青子は結婚式場での撮影もうまくいき、青子が撮った1枚の写真が製本されたアルバムの片隅に小さく載っていて青子はやりがいを感じるようになる。
    そんな中、母親から一本の電話が入る。「弟の珀太郎が学校の階段から落ちて、打ちどころが悪くってね…」驚いた青子は急いで秋田の実家に戻るが、ただ足を怪我していただけであった。それよりも青子の変わり果てた姿を母の鞠子(多岐川裕美)は心配し、父の勝(梅沢富美男)も不器用ながら心配する。
    谷の所で働きはじめて半年が過ぎ、青子の体調は更に悪くなっていく。コスメより薬の瓶が増え、カレンダーを見ると今日が自分の誕生日だと知り、生理が3か月も止まっていることに気づく。27歳の誕生日に青子は女でなくなってしまったのだ!勝や鞠子のみならず、ミミにも心配されるが、全く仕事を上手く捌くことが出来ず、とうとう血尿まで出してしまう。
    青子は、自宅で変わり果てた自分の姿を見ながらホロホロと泣き出してしまう。「もうダメだ。無理。ああでもいい写真、撮りたい」青子は、いつもは鬱陶しく思っている父の顔を思い出し、『私が死んだらこれしといて下さいリスト』を書き始めるが、ペンを持ったまま気絶してしまう。
    そして、疲労がピークに達した青子は、とうとう結婚式場での撮影現場で倒れてしまう…。

    初回放送日:2012/04/27

  • #5

    無駄に真っ直ぐ

    ルーチェでの過酷な仕事による不規則な生活、睡眠不足、そしてストレス。心も身体もどん底まで落ちてしまった青子(佐々木希)は産婦人科の診療室で「膣にカビが生えている」という死ぬほど恥ずかしい診断結果を告げられた。青子はルーチェを辞めたかわりに命を取り留めたのであった。「失って思い知った。健康であるってなんて贅沢な事なんだろう」と青子は、思うのであった。
    2週間後の大晦日。ようやく電車に乗れるようになった青子はリハビリを兼ねて、秋田の実家に帰省することに。宝池家では母、鞠子(多岐川裕美)や妹、紅子(外岡えりか)に「膣にカビが生えているんだからゆっくりしていなさい」と、デリカシーのないことを言われ、一家の笑われ者となって正月を迎えるのであった。
    実家での時間はゆっくり過ぎていき、春が訪れる頃には、青子は元気を取り戻していた。そんなある日、純兵(石田卓也)から連絡がくる。その夜、青子は2年ぶりに純兵と会うのであった。久しぶりに会った純兵は、姫が結婚していた事に傷ついていて、青子に相談を持ちかけたのであった。しかし、純兵の姫への気持ちが昂る程、青子の気持ちはシラケていった。青子は「もう帰りたいから送っていって」と純兵に言うが、突然、青子の右手首を乱暴に掴んで自らの下腹部に持っていく。嫌がる青子は、純兵の手を振り払い、こらえきれず泣いてしまう。動揺した純兵は、謝って青子を送っていく。青子は純兵に「私ら、もう会わないほうがいいね」と言う。青子はこんな強い言葉を言える自分に驚く。純兵との関係も終わった青子は「仕事も恋もまた始めよう。焦らないでゆっくりと」と思う。実家から自分の家に戻った青子はまず模様替えをして、気分を一新させるべく過去の男たち(姥貝、天津)のアドレスも消すことにした。
    人生で3度目の職探しを始めた青子は、幸先良く通販のカタログなどを手掛ける会社に勤めることになった。青子が勤めることになった会社は上司も優しく、待遇も良く、天国みたいな会社であった。同僚の諏訪(長谷川朝晴)は軽い恋愛観の持ち主で、社内で開けっぴろげに不倫の話をしたりしている。つくづく平和な会社だと青子は思うのであった。やがて時間に余裕が出来た青子は、ジムに通いはじめ、充実した生活をおくれるようになった。ある日青子がジムでトレーニングをしていると、隣でトレーニングしている遠藤(田島優成)に話しかけられ、メアドを交換することに。人生初のナンパであった。
    夏になる頃、止まっていた生理も戻り、平穏な日々が続くが、何か物足りないと青子は感じる。カメラやシャッター音を聞くとなんだか心がざわつくのはなぜだろうと青子は思う。そんな時、携帯に飯田(小泉孝太郎)から電話がかかってくるのであった。

    初回放送日:2012/05/11

  • #6

    星屑ビーナス

    青子(佐々木希)は自分が飯田(小泉孝太郎)の事を好きになってしまったことに気づくが、飯田がミミ(橋本麗香)と付き合っていることを知り、ジムで一人もがいている。
    夜、青子は、自宅で日本酒のパックを飲んで一人悩んでいると羊のメリーさんが現れる。「ミミさんにかなうわけないじゃん」と相変わらずウジウジ、ジメジメしている青子に、メリーは「恋愛ってそんなもんじゃないメ!相手の気持ちばかり求めると自分の気持ちを見失うメ!」と怒って出て行ってしまう。
    ひたすら仕事に打ち込む青子だったが、頭の片隅にいつも飯田がいて、日に日にその存在は大きくなっていくのであった。そんな矢先、ミミから暇なら飲まない?と誘われる。飯田に会えるという誘惑に負け、青子は飲みに行くことにしたが、飯田は翌日撮影があるという理由で来ていなかった。家に帰った青子は、飯田に電話をしようと呼び出しボタンを押すが、飯田が出る前に怖くて切ってしまった。倒れこむ青子の携帯にメールが届く。恐る恐る画面を見るとミミさんからのメールであった。落ち着かない様子の青子は『友達に電話しようとしたら間違えちゃいました』と返信する。青子は飯田の重荷になりたくないと、あきらめようと思うのだった。
    遠藤(田島優成)は、初監督作品の鑑賞会を青子の家でしようと誘う。青子の部屋でくつろぐ遠藤。そんなとき、華奈(大塚千弘)から連絡が届き、青子の家に荷物をとりに来て、その後3人で出前ピザを食べることにした。遠藤の携帯に彼女から連絡が届くが、電車の中だからと嘘をつく。なんで嘘をつくのか青子は尋ねるが、遠藤は余計な心配をさせたくないからと言う。しかし「でも…」と戸惑う青子に、つきあったらめんどくさいタイプ?と遠藤に言われてしまう。
    職場でのランチで諏訪(長谷川朝晴)は相変わらず軽い話をしている。諏訪は片思い中の青子に「それはそれでおいとけばいいじゃん。その間、他の男を探せばいいじゃん」と言うが、そんなことは出来ないと青子は言う。「宝っちは真面目ちゃんだよね」と諏訪に言われ、なんだか、『つまらない女』と言われた気がした青子であった。
    遠藤と青子は、それぞれステディカムと一眼レフを持ち撮影をしている。休憩中、遠藤が女の子と楽しそうに電話をしていて、青子も飯田に電話をしたくなって、携帯の呼び出しボタンを押す。半年ぶりに聞いた飯田の肉声に感極まり青子は泣いてしまう。飯田はルーチェをやめて独立することになったようだ。
    繁華街で接待を終えた諏訪は、カメラマンを連れて会社の経費で、キャバクラに行こうとする。青子は、諏訪を止めるが、「そう清潔ぶった真面目ちゃんだから、いつまでも男が寄ってこないんだよ。めんどくせえ女だな~」と言われ、怒った青子はきびすを返して帰っていくが、心の中で遠藤や諏訪にいわれたことを反芻し、もっとサラッと恋愛できる女になりたいと思うのであった。
    ある日、青子の部屋にやってきた遠藤は彼女と別れたことを告げ、なぐさめてと言って青子にキスを求めてきた。そんな遠藤に対して青子は…。

    初回放送日:2012/05/25

このページに掲載されている写真はすべて著作権管理ソフトで保護され、掲載期限を過ぎたものについては削除されます。
無断で転載、加工などを行うと、著作権に基づく処罰の対象になる場合もあります。なお、『フジテレビホームページをご利用される方へ』もご覧下さい

©FujiTelevision Network,Inc.All rights reserved.