布川敏和/今井美樹/四禮正明/松宮由季/金山一彦/大久保了 他
健(布川敏和)は、瀬戸内海に面した広島県のある町で育った。大学受験に失敗して上京、いまでは東京の予備校で受験勉強をしている。
ある日、遅刻した健は、女生徒の寺井律子(原葉子)が、学校の屋上から飛び降り自殺する姿を目撃し、そこで律子の友達で、個性的な美少女の縞崎夕子(今井美樹)と知り合った。その次に、健が夕子を見かけたとき、夕子は無心にカメラのシャッターを押し続けていた。
律子の自殺の原因は、同じ予備校生の佐藤克洋(四禮正明)に裏切られたせいだった。その佐藤は、佐藤ケミカルの御曹司で、自分でも、青山の裏に高級なカフェバー『シグマ・クラブ』を経営している、乗っている車はサーブで、とても健などが、太刀打ちできそうもない都会っ子だった。
健と夕子の仲は、次第に深くなっていったが、どこかで噛み合わないところがある。佐藤の存在であった。夕子と佐藤とは、以前から付き合っていて、夕子にカメラを教えたのも佐藤だった。
そんなある日、夕子が車で誘拐されそうになった。健はどこまででも、その車を追いかけて、母親と別れた夕子の父、神岡泰造(平幹二郎)に出会った。夕子の行動を心配した神岡が、探偵の安西俊介(柄本明)に命じて、夕子を呼び寄せようとしたが、それを安西が芝居がかりでやったことだった。神岡は夕子に「佐藤とつきあうのはやめなさい」という。佐藤の経営している『シグマ・クラブ』は、半年も前に経営難に陥り、ヤクザから運転資金を借入していた。そのみかえりに、ヤクザたちのやっているコールガール組織に、若い女たちを送り込む役目を負わされていたのだ。ある日、その組織から、夕子をコールガールに、と指名してくる。佐藤は抵抗するが、断りきれない。遂に、夕子に呼び出しをかける。弥生からそれを聞いた健は、佐藤から夕子が連れ去られた場所を聞きだし、救出しようとして駆け出した。
2025年5月19日 現在